源頼光

源頼光(みなもとのよりみつ)948年(天暦2年)1021年8月29日(治安1年7月19日)

平安中期の武将。

満仲の嫡男。摂津源氏の祖。

二十余年という長期間にわたり東宮時代の三条天皇に仕えた。この間,御堂の西で寝ている狐を墓目の矢で射ることを東宮から命ぜられ見事に射たという。

永延2(988)年摂政藤原兼家の新第落成の祝宴で客人に馬30頭を贈り,寛仁2(1018)年兼家の子,道長の土御門殿再建のとき家具,調度のすべてを献上した。

摂関家への奉仕が目立つが, 但馬(兵庫県)や美濃国(岐阜県)などの国守を歴任した間に得た財力で経済的な奉仕を行ったものであろう。

美濃守になったとき,隣国の尾張守となった大江匡衡とたがいの門出を祝って書簡を交わしている(『本朝文粋』巻7)。

父と同様, 平安京左京一条に邸を構え,一時期, 藤原道綱を婿に迎えて住まわせた。

鬼同丸の首を打ちおとした話や酒呑童子の話は猛き武者ぶりを伝えるが, 正史からは探れず,摂関家に臣従した護衛役というところが実像であろう。

出典: 朝日新聞社「日本歴史人物辞典」