お辞儀

挨拶や感謝、敬意などを表すために相手に向かって腰を折り曲げる動作。現在、日本の挨拶の基本動作になっています。

お辞儀は自分の首を差し出して、相手に敵意がないことを表現したことに由来し、飛鳥〜奈良時代、中国の礼法を取り入れたのが始まりといわれています。

お辞儀には「立礼」と「座礼」の2種類があり、その礼の深さで分類すると「会釈」「敬礼」「最敬礼」の3種類があります。軽い挨拶などで使われる「会釈」は15度、お客様や目上の方に使う「敬礼」は30度、深い感謝や謝罪の場面で使われる「最敬礼」は身体を45度に傾けるのが正しいお辞儀といわれています。

お辞儀の語源は、『物事を行うのに丁度いい時期』を意味する「時宜」からきており、「辞儀」と表記されるようになったのは江戸時代からです。「時宜」は平安時代までは本来の意味で使われていましたが、鎌倉・室町時代から『物事が成立するのに丁度いい状況・事態』の意味が使われ始め、時間の意味合いが気薄になっていきました。やがて『状況に対する考えや気持ち』や『状況を見極めて対処すること』などを意味するようになり、この周りに気を使うという意向から、他人への配慮、心配となり、中世末期に挨拶の意味になりました。

挨拶に伴い、頭を下げる動作の意味に限定されたのは江戸時代後期からです。