お雑煮は、もとは歳神様へのお供えだった。それをいただくことによって神様の祝福を受け、一年中家族全員が健康に暮らせるのである。
- 神様へのお供えだから土地土地の最高の具が加えられた
そもそもお雑煮とは、歳神様を迎えるため大晦日の夜に供えたお下がりを、元旦の朝に食べたのが始まりです。今も九州地方では神人共食を表して「直会-なおらい-」ということがあり、お雑煮には「神様と共に食すもの」との意味があります。正月にいただくと歳神様の祝福を受け、一年中健康で暮らすことができ、そのための活力が得られるのです。
お雑煮は「雑煮餅」の略で、歳神様が宿るとされている餅を主に野菜、魚介類、肉類を取り合わせた文字通りの雑煮。
一般に東日本ではのし餅を四角に切った角餅を焼いて、西日本では小さな餅をゆでて用いますが、珍しいところでは高松の飴入りの餅や、反対に餅をいっさい入れない地方もあります。関東・中国・九州地方は澄まし仕立てで、関西では白味噌仕立てが多く、東北・山陰や九州の一部では小豆雑煮にします。
元は神様のお供え物だったから、具にはその土地の最高の珍味を入れた。そのため各地に郷土色豊かな雑煮が誕生したというわけです。
出典:講談社 武光誠編著「開運の手引き 日本のしきたり」